デイサービスとデイケアの違い|目的と対象者で選ぶ

在宅介護を始めると必ず候補に挙がる「デイサービス」と「デイケア」。名前は似ていますが、実は目的・スタッフ・費用が大きく違います。「どっちに通わせるべき?」と迷う家族に向けて、違いをわかりやすく整理しました。この記事を読めば、本人に合うほうが自信を持って選べます。

結論|リハビリ中心ならデイケア、交流と介護ならデイサービス

先に結論です。

  • リハビリで機能回復を目指すなら → デイケア(通所リハビリテーション)
  • 交流・入浴・食事・日常介護を通じて在宅生活を支えるなら → デイサービス(通所介護)

退院直後や骨折後の機能回復期はデイケア、状態が安定してきたらデイサービスへ切り替える、という使い分けが一般的です。

デイサービス(通所介護)とは

デイサービスは、日帰りで施設に通い、食事・入浴・レクリエーション・機能訓練などを受けるサービスです。

主な目的

  • 本人の社会交流と孤立防止
  • 入浴・食事など日常生活支援
  • 家族の介護負担軽減(レスパイトケア)

スタッフ構成

  • 生活相談員
  • 介護職員
  • 看護職員(1名以上配置義務)
  • 機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、看護師、はり師・きゅう師のいずれか)

機能訓練指導員が在籍していますが、医師は常駐しないのがデイケアとの大きな違いです。

1日の流れの例

  • 9:00 送迎でお迎え
  • 9:30 バイタルチェック、お茶
  • 10:00 機能訓練、入浴
  • 12:00 昼食
  • 13:30 レクリエーション、趣味活動
  • 15:00 おやつ、機能訓練
  • 16:30 送迎で帰宅

デイケア(通所リハビリテーション)とは

デイケアは、医療機関(病院・診療所)や介護老人保健施設に併設された施設で、医師の指示のもとリハビリを受けるサービスです。

主な目的

  • 身体機能・認知機能の回復と維持
  • 退院直後のリハビリ継続
  • 嚥下・発語のリハビリ

スタッフ構成

  • 医師(常駐または配置)
  • 理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)
  • 看護職員
  • 介護職員

医師の指示書に基づくリハビリが受けられるのが最大の特徴です。

1日の流れの例

  • 9:00 送迎でお迎え
  • 9:30 医師・看護師による状態確認
  • 10:00 PT・OT・STによる個別リハビリ(40分〜)
  • 12:00 昼食
  • 13:30 集団リハビリ、機能訓練
  • 15:00 入浴(施設による)、個別指導
  • 16:30 送迎で帰宅

デイサービスとデイケアの比較表

項目 デイサービス デイケア
正式名称 通所介護 通所リハビリテーション
主な目的 介護・交流・入浴 リハビリ・機能回復
医師の常駐 なし あり(指示書あり)
PT・OT・ST 必須ではない 必須
対象 要介護1〜5(要支援は介護予防型) 要介護1〜5(要支援は介護予防型)
費用(要介護1、7時間の1割負担) 約665円/日 約762円/日
施設数 全国約4万ヶ所 全国約8,000ヶ所
入浴サービス 充実している施設が多い 施設により対応
レクリエーション 豊富 少なめ

費用はデイケアのほうがやや高く設定されていますが、医療的なリハビリが必要な人にとっては価値があります。

対象者|どちらが向くか

本人の状態に応じて選びましょう。

デイケアが向く人

  • 退院直後でリハビリ継続が必要
  • 脳梗塞後の片麻痺でPT・OTの専門指導を受けたい
  • パーキンソン病など神経難病でSTの嚥下訓練が必要
  • 医師の継続的なモニタリングが必要

デイサービスが向く人

  • 状態が安定していて、社会交流が目的
  • 家族の介護負担軽減(レスパイト)が主目的
  • 入浴設備を活用したい
  • レクリエーションを楽しみたい

具体例|Fさん(50歳)が父の退院後に切り替えたケース

神奈川県のFさんの父(75歳)は脳梗塞で入院、退院後に要介護2。退院直後の3ヶ月はデイケアでPTによる歩行訓練を週3回実施。杖なしで歩けるようになった時点でケアマネと相談し、デイサービスへ切り替え。週4日の通所で交流を広げ、表情が明るくなったそうです。「急性期はデイケア、安定期はデイサービス、という切り替えが体力と費用のバランス面でちょうどよかった」とFさん。

併用はできるのか

結論、併用可能です。ただし支給限度額(要介護1〜5で月16〜36万円)に収まる範囲が条件です。

併用例:

  • 月・水・金 → デイケア(リハビリ)
  • 火・木 → デイサービス(入浴・交流)

ケアマネがバランスを設計するので、希望があれば遠慮なく伝えてください。

選び方|見学時にチェックすべき5点

パンフレットだけでは本当の姿はわかりません。必ず見学し、以下をチェックしてください。

  • 雰囲気: 利用者の表情、スタッフの声かけ
  • 設備: 入浴設備、リハビリ機器、送迎車の仕様
  • 食事: 食事の見本や献立表を確認
  • 送迎範囲: 自宅が送迎エリアに入っているか
  • 緊急時対応: 急変時の連絡フロー、協力医療機関の有無

施設の選定はケアマネに任せきりにせず、最低2〜3ヶ所は家族も見学しましょう。

費用の目安(要介護2、1割負担、月8回利用)

  • デイサービス(7〜8時間): 月約6,500円 + 食費約5,000円 + 日用品費 = 月1万2,000円〜1万5,000円
  • デイケア(6〜7時間): 月約6,900円 + 食費約5,000円 + 日用品費 = 月1万2,500円〜1万6,000円

食費・おむつ代・レクリエーション費は介護保険外です。月の総額で見積もるのが現実的です。

認知症対応型デイサービスという選択肢

認知症の症状が中〜重度の方には「認知症対応型通所介護」という専門のデイサービスもあります。定員12名以下、認知症ケアに特化したスタッフ配置で、一般のデイサービスより手厚いケアが受けられます。費用はやや高く、1日あたり約1,000円(1割負担)です。

よくある質問

  • Q. 本人が嫌がったらどうする? A. 見学・体験利用から始めましょう。多くの施設が無料で体験可能です。
  • Q. 日帰りではなく泊まりたい場合は? A. ショートステイまたは小規模多機能型居宅介護が選択肢です。
  • Q. 送迎は自宅まで来てくれる? A. ほぼ全施設が送迎付き。階段の上り下りや車椅子対応も可能です。

デイサービスとデイケアは、似ているようで目的が異なるサービスです。本人の状態と家族の希望を整理し、ケアマネと相談しながら最適な組み合わせを見つけてください。

ケアナギでは、中立的な立場で全国の老人ホーム・介護施設を検索できます。施設を探す