要介護認定とは|要支援1〜要介護5の違いを図解でわかる

「親が最近つまずくことが増えた」「そろそろ介護が必要かもしれない」。そう感じたとき、家族が最初にぶつかる言葉が「要介護認定」です。聞き慣れない単語に戸惑う方も多いのですが、要介護認定介護保険サービスを使うための入口であり、知っておけば介護費用を大幅に抑えられる重要な制度です。この記事では、要介護認定の意味、7段階の区分、申請の流れ、受けた後にできることを、初めて介護に触れる家族に向けて丁寧に解説します。

要介護認定とは|介護保険を使うための「等級付け」

要介護認定とは、市区町村が「この人はどのくらい介護が必要か」を公平に判定する仕組みです。判定結果によって、使える介護保険サービスの種類と上限額が決まります。

ポイントは3つです。

  • 65歳以上なら、原因を問わず申請できる(40歳〜64歳は16種類の特定疾病に限定)
  • 申請から結果通知までおよそ30日
  • 認定を受けると、介護サービスの自己負担が1〜3割に抑えられる(所得による)

認定を受けずに介護サービスを使うと全額自己負担(10割)になります。つまり認定の有無で、月の負担額が数万円単位で変わるのです。

7段階の区分|要支援1〜要介護5の違い

要介護認定には7段階の区分があります。下にいくほど介護の必要度が高くなります。

  • 要支援1: 基本的に自立しているが、一部の家事や身支度に見守りや手助けが必要
  • 要支援2: 要支援1より状態がやや低下。立ち上がりや歩行に支えがほしい
  • 要介護1: 歩行や立ち上がりが不安定。部分的な介護があれば在宅生活は可能
  • 要介護2: 排せつや入浴に介助が必要な場面が増える。認知面の低下が見られることも
  • 要介護3: ほぼ全面的に介助が必要。一人で立つ・歩くが困難
  • 要介護4: 日常生活全般に介護が必要。意思疎通にも支障が出始める
  • 要介護5: ほぼ寝たきりで意思疎通が困難。全面的な介護が不可欠

区分ごとの支給限度額(月額の目安・2026年基準)

区分 支給限度額(月) 1割負担時の自己負担上限
要支援1 約5万320円 約5,032円
要支援2 約10万5,310円 約1万531円
要介護1 約16万7,650円 約1万6,765円
要介護2 約19万7,050円 約1万9,705円
要介護3 約27万480円 約2万7,048円
要介護4 約30万9,380円 約3万938円
要介護5 約36万2,170円 約3万6,217円

この金額の範囲内でサービスを使えば1〜3割の自己負担で済みます。超えた分は全額自己負担です。

申請から認定までの流れ

申請は本人または家族が、住んでいる市区町村の介護保険窓口、または地域包括支援センターで行います。費用は無料です。

  1. 申請書の提出: 市区町村の窓口へ。主治医の名前を記入する欄があるので事前に確認
  2. 認定調査: 市区町村の調査員が自宅や入院先を訪問し、74項目の聞き取りを実施
  3. 主治医意見書: 市区町村が主治医に依頼。本人・家族の手続きは不要
  4. 一次判定: 調査結果をコンピュータが判定
  5. 二次判定(介護認定審査会): 医療・福祉の専門家が最終判定
  6. 結果通知: 申請からおよそ30日で郵送される

具体例|78歳のお母さまが転倒をきっかけに申請したAさんのケース

東京在住のAさん(45歳・会社員)のお母さまは、自宅で転倒し膝を痛めたことをきっかけに、地域包括支援センターへ相談。職員の案内で区役所へ申請書を出し、32日後に「要介護2」の認定通知が届きました。その後ケアマネジャーが付き、週2回のデイサービスと週1回の訪問介護を組み合わせたケアプランが作られ、月の自己負担は約1万5,000円に収まりました。「認定がなかったら全額自己負担で月10万円は超えていた」とAさんは話します。

認定を受けた後にできること

認定区分に応じて、次のようなサービスを1〜3割負担で使えるようになります。

  • 在宅サービス: 訪問介護(ヘルパー)、訪問看護、デイサービス、デイケア、ショートステイ、福祉用具レンタル
  • 施設サービス: 特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護医療院など(要介護3以上が基本)
  • 住宅改修: 手すり設置や段差解消など、上限20万円までの工事費の9割支給
  • 福祉用具購入: 入浴用いすやポータブルトイレなど、上限10万円まで年間支給

要支援1・2と認定された場合は「介護予防サービス」となり、地域包括支援センターがケアプラン作成を担います。要介護1〜5は居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当します。

有効期間と更新|認定は一生ではない

要介護認定には有効期間があります。初回は原則6ヶ月、更新後は原則12ヶ月(状態が安定していれば最長48ヶ月まで)です。有効期間が切れる60日前から更新申請ができ、市区町村から案内が届きます。

状態が悪化したり回復したりしたときは、有効期間の途中でも「区分変更申請」ができます。たとえば「要介護2」から「要介護3」に重くなった場合、申請すれば支給限度額が引き上げられる可能性があります。

兄弟で情報を共有しておく

認定結果や区分変更のタイミングは、兄弟・親族で共有しておきましょう。介護は一人で抱え込むと介護離職につながります。認定通知書のコピーをLINEやクラウドで共有し、誰がケアマネと連絡を取るかを最初に決めるだけで負担は大きく変わります。

よくある質問

  • Q. 申請は本人でないとダメ? A. 家族や地域包括支援センターが代行できます。本人が寝たきりでも問題ありません。
  • Q. 結果が軽すぎると感じたら? A. 通知から60日以内に不服申立て、または区分変更申請が可能です。
  • Q. 認定中もサービスを使える? A. 「暫定ケアプラン」で申請時から利用できます。ケアマネに相談を。

要介護認定は、家族の介護負担を減らす最初の一歩です。まずは地域包括支援センターへ電話してみてください。無料で相談でき、申請書の書き方も教えてくれます。

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